3月1日(火)、本校体育館にて、平成27年度卒業生(島根中央高等学校第7期生)の卒業証書授与式が挙行されました。
 あいにくの雪模様でしたが、川本町町長三宅実様、美郷町町長景山良材様をはじめ、多くの来賓の皆様のご臨席のもと、厳粛に卒業式が執り行われました。来賓の皆様、保護者の皆様、地域の皆様、教職員、在校生に見送られた61名の卒業生は、夢と希望を胸に、将来の活躍を誓い学び舎を巣立っていきました。

 卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。


  
卒業生 呼名代表 春木さくらさん
  
在校生送辞 福井奈月さん卒業生答辞 岩野光さん

<卒業生答辞>
 今年は、寒さが思いのほか厳しく久しぶりの大雪の日もありましたが、陽射しの中に少しずつ春の訪れを感じるようになりました。本日は私たち卒業生、第七期生のために、このように盛大で、心温まる卒業式を挙行していただき、誠にありがとうございます。また、来賓の皆様には御多忙の中、卒業式に御臨席を賜り、卒業生一同心よりお礼申し上げます。これから先を見つめ、自らの進路に向けてやる気と希望で満ち溢れている一方で、通い慣れたこの学び舎を巣立つにあたり、一抹の寂しさを感じています。

 思い返してみると、今日に至るまでの私たちの三年間は、実に濃く、充実していたように思います。
 
入学したての頃、お互いに緊張していたこともあり、教室はとても静かで、時折息苦しさを感じることもありました。しかし、安佐動物園への遠足、三瓶宿泊研修でのカレー作りや登山などを通して、次第に打ち解けていき、明るい会話があちらこちらで聞こえるようになりました。
 
私は、三年間吹奏楽部に所属していました。入部したての頃は先輩方が怖くて、ただがむしゃらに練習しました。日を重ねるごとに求められるものが高くなり、自信を無くし、不安になることもありました。しかし、一緒に頑張ってくれる仲間のおかげで何とか続けることができました。音作りのための練習として、ロングトーンというものがあります。音を長く伸ばす練習なのですが、個人練習の時はほとんどそれしかやらず、単調で辛いと感じることもありました。その中で自分の音と向き合ってより良い音を出せるように努力を続けました。その甲斐もあってか、昨年行われた全日本管楽合奏コンテストでは、最高の演奏ができました。最優秀賞とブレーン賞という名誉ある賞をいただいた時は、感無量でした。この吹奏楽部で、一つのことをやり続ける大切さと、音楽の楽しさを改めて感じ、そして、掛け替えのない素晴らしい仲間に出会うことができました。
 
また、二年生の時、私は生徒会長を務めさせていただきました。全校集会で挨拶をする時には、「こんにちは」という言葉を自分から先に言うように心掛けました。学校全体で気持ちよい挨拶をすることで、コミュニケーションにもなるし、社会に出ても自分の糧になると考えたからです。皆さんに大きな声で挨拶を返してもらうと、とても嬉しかったのを覚えています。生徒会執行部の活動として、イルミネーション点灯式や産業祭などの地域行事への参加や、学園祭や球技大会などの学校行事の企画・運営をしました。多種多様な活動をしていく中で、時には執行部のメンバーと先生方との考え方の違いにとまどい、意見が割れる中で、どうまとめていけばよいのか悩みました。また、私自身、学業と部活動との両立に苦しんだ時期もありました。しかし、それらを一つずつ乗り越えていく中で、物事を捉えるときに様々な視点で考えることの大切さを学び、仲間と連携して各行事をやり遂げることの素晴らしさを実感することができました。このように、もがきながらも自らを高めることができた生徒会長としての一年間は、私にとってこの上なく貴重な経験であり、私の誇りでもあります。
 
三年生になると、高校生活で思い残すことが無いように、一つ一つ全力でやってきました。各自、高い目標を立てて、必死に努力し続けた部活動、クラスが一つになって歌声を響かせた、文化祭での合唱コンクール、時には激しく衝突しながらも、最後には共に団結し優勝を目指して戦った、土砂降りの中での体育祭など、どれも忘れることができないほど掛け替えのない思い出となりました。
 こうした貴重な経験を重ねてこられたのも、様々な方々の御協力と御支援があったからだと思います。昨年亡くなられた高見校長先生、そして福間校長先生を始めとして、諸先生方には、筆舌に尽くしがたいほどお世話になりました。授業はもちろんのこと、進路について親身に相談に乗っていただき、また挨拶や身だしなみなど将来社会人として必要なことをたくさん教えていただきました。事務の方々は、私たちの学校生活がより快適なものになるよう尽力して下さいました。朝早くから大雪の除雪までして下さいました。また、保護者の皆さんや二つの寮の皆さんは、毎日のおいしい弁当作りを始め、部活動や勉強、人間関係に揺れ動く私たちを、陰に陽に支えて下さいました。そして、苦楽を共にした友人たちは、笑顔でいっぱいの充実した高校生活を送らせてくれました。本当に有難うございました。
 在校生の皆さん、皆さんはこれからの島根中央高校を担っていく存在です。この学校は若者のエネルギーで満ち溢れています。たくさん苦労して、たくさん笑って、高校生活を思いっきり楽しんで下さい。私は、高校生とは青虫のようなものだと思っています。いつか蝶になって大きな社会の中へと飛び立っていきます。その羽は、先生方が与えてくれます。飛び立つ勇気は、今周りにいる友人たちが与えてくれます。ただ飛び立つ最初の一歩は、自分自身でするしかないのです。胸を張って飛び立つことができるように、悔いのない高校生活を送って下さい。そして、これからの島根中央高校をよろしくお願いします。
 さて、刻一刻とお別れの時が近づいてまいりました。あの有名なマザー・テレサの言葉の中に「暗いと不平を言うよりもあなたが進んで明かりを灯しなさい。」というものがあります。これから先、きっと多くの困難が私たちを待ち受けていると思います。理不尽なことに頭を悩ましたり、「本当に自分はこれでよかったのか。」と疑問を抱いたりすることもあるかも知れません。しかし、そんな時、この学校で学んだ思いやりの精神と、感謝する心を忘れずに、不満を言うのではなく、誰かの心に明かりを灯せるような人間になるために切磋琢磨していきます。そして必ず恩返しをしていくことをここに誓います
 最後になりましたが、皆様の御健勝と御多幸、並びに島根中央高校のますますの御発展を、卒業生一同心よりお祈り申し上げ、答辞とさせていただきます。
  平成28年3月1日                        卒業生代表   岩野 光